第3章・なぜBTSは世界のアイドルとなったのか?ユニセフと国連
こんなグループは、未だかつて存在しなかった。
そして、こんな素晴らしい内容を、彼らは美しい容姿と声と、抜群のチームワークと、明るく面白く若い感性の日常もSNSで伝えてくれながら、歌と踊りの過酷なレッスン、作詞作曲の創作活動をこなし、完成度の高いステージに立ち続けている。深いメッセージは、アイドルという甘い砂糖に包まれているのだ。

私は、BTSがグラミー賞を取っても少しもおかしく無いグループだと思う。(数年前も今もそう思っている)
この後も”Map of The Soul” そして、最近の大ヒットDYNAMITE , BUTTER ,Permission To Danceへと続いていくのだが、解説した3つのシリーズでコンセプトの全貌は見えると思う。人気は、加速度を増し地球を一周して今に至る。
“LOVE YOURSELF” の大ヒットの後、2017年11月には、韓国ユニセフ協会とBTS ,Big Hit Entertainmentは、ユニセフのEND violence(暴力を無くそう)キャンペーンを支持するためのパートナーシップを結んだ。
2019年7月30日に行われたユニセフが主催する「LOVE MYSELF」キャンペーンでは、国連でBTSのリーダーRMが、自身の幼少期と過去を回想した内容の、メッセージ性の高いスピーチを行なった。

”LOVE YOURSELF”のヒット後、BTSの一連の作品群ともリンクする国連でのRMのスピーチは素晴らしかった。
「ほとんどの人々は防弾少年団に希望がないと言いました。時には自分もそう思い、諦めたいと思ったりもしました。ですが、諦めなくて幸運でした。僕と防弾少年団はこれからも失敗すると思います。今の防弾少年団は大規模なスタジアムで公演をし、数百万枚のチケットを売り上げる歌手になりましたが、僕は相変わらず普通の24歳の青年です。昨日の自分はミスをしたかもしれません。しかし、そんな昨日の自分も相変わらず自分です。今日の自分は、過去のミスが集まって完成されました。そのミスが自分であり、自分の人生で最も輝く星々です。今の自分のままで、そして過去の自分と未来の自分まですべて愛する方法を学びました。自分自身を愛する方法を学んでほしいです。あなたの名前は?あなたが心ときめかせるものは何ですか?」https://www.youtube.com/watch?v=LE-CffflPZA
ユニセフが展開する”LOVE MYSELF”キャンペーン「自分自身を愛する事から始めよう」に寄せた内容は、そこにいた人達はもちろんの事、その映像を見た人々の心も掴んだ。
そして時代は、コロナ禍へ突入する。
今度はティーンズだけで無く、世界中の人々が疲弊して行った。
世界は今、姿の見えない恐怖と戦っている。多くの死者を出し、魔の手は身近に迫っている様にも思えるこんな状況は初めての事だ。
そんな中、自分の周りに今まで見なかったBTSの年長ARMYが、急に増えたことに最近気づく様になった。みんな、口々に言う。
「だって、あの子達、すごく良い性格だし美しいし、曲もダンスもとても良い。」
と言って、嬉しそうに彼らのプリントされたカフェオレの瓶を見つめる彼女は、もう70歳近い。
人はティーンズも70歳も、孤独というものの前にはなす術もなく立ち尽くす
そんな時、仲間の大切さを思い出させてくれる美しいボーイズグループは、見ているだけで心癒やされると言う。

メンバーのジンが会見でこう言っていた。
「ARMYは、自分達の気持ちをBTSが代弁してくれる、と言っています。そんな言葉が聞かれる様になり、私達も責任というものを感じるようになって行きました。私達は、ファンと共に成長したんです。」と。
勿論、BTS のこのびっくりするような人気は、チームに作詞作曲の天才、ダンスの天才も存在し、センターに相応しい魅力ある容姿を持つメンバーも数名いて、数々の大ヒット曲があっての話だが、チームワークや仲間思いの優しさ、純粋な眼差しはティーンズだけでなく今や年齢、国籍、性別を超えて、その人気は世界中に飛び火している。
今までの活動を通して作り上げてきたARMYと呼ばれる彼らのファン達との絆は、世界中が疲弊している今、地球上に美しいチェーンを描いているように思える。
誰に強要されるでもなく、自然にできたその絆は地球を横断して平和というスローガンを掲げるだろう。そして、最後にはMVの中の一つ”Permission To Dance”のラストのように、みんながマスクを外す日が来ると思う。
”Permission To Dance”は、そんなあらゆる壁を超えた彼らの平和へのメッセージだ。
次回の新シリーズの公開が待たれる。
読んでくださった方、ありがとうございました。