BTSの光と影・天才ラッパーIRONを偲ぶ!
魂を揺さぶられるラップ!

私がGoogle plus のK-POPコミュニティにいた頃、”Show Me The Money 3″で準優勝したIRON(アイアン)のステージに圧倒された時の事は、今もその衝撃とともに覚えている。自分の中の一番深い所を揺さぶられる魂の叫びのようなラップ。
”Show Me The Money 3″の出演者達全員が彼の存在感と表現力に感動し、半ば呆れたような白けた表情になって行くのを見て、鳥肌が立った。(優勝してikonのBobbyとなった彼の顔も印象的だ。)
準決勝で披露した曲である「毒気」は音源チャート1位となり、人気となった。
https://haryu-korea.net/iron
毒気(歌詞の全体的な訳)
私はもっともっと上に行く。
私はお金が無い。国から助けをもらい、勉強もしていない。私はお金がなくて、友達の物も奪った。
でも、ゴミみたいな私の過去を、絶対繰り返さない。私は、もっと大きな世の中を見る。人生の終わりに後悔しないように。
私は、お金がないからヒップホップを知り、お金が無いから結局強くなった。
私はもっともっと大きい世の中を見る。汚い人生の中でも、もう一度立ちあがる。
人生の終わりに後悔しないように。
だから、狂ったように走る。狂ったように。。。
しかし、IRONは昨年2021年の1月25日にこの世を去った。
元の仲間だったRMや今のBTSのメンバーのこの一年の心境を考えると本当に胸が痛む
IRONさんはデビュー前、ヒップホップクルーで活動。 同クルーには、BTSのリーダーであるRMこと、キム・ナムジュンさんやBTSのプロデューシングを担当しているSupreme Boi(シン・ドンヒョク)さんたちが参加していました。
https://haryu-korea.net/ironi
「SHOW ME THE MONEY」放送当時、事務所を去って行ったIronさんを気にかけていたRMさんは、BTSの公式ツイッターを通じてIronさんを応援するコメントをしたこともありました。

/出典:https://mouda.asia/item/
Twitterの訳「ラップモンスターは、IRONさんをすごくたくさん応援します。お兄さん、頑張ってください!」言い回しはもっと複雑だが、大体はこんな意味だった。
以前、RMがインタビューに答えていた中で、それはストレスについてだったが
「光が強くなればなるほど、その影も濃くなります」
と言っていたのが、とても印象に残っている。IRONの影はBTS・7人の胸に今でも深く刻まれていると思う。
しかし、生前の彼の日常は犯罪や世間からの批判に満ちていた!
2021年の一月に、当時18歳の教え子の身体をバッドで複数回殴ったという罪で起訴され、取り調べを受けている最中、ソウル市内のアパートのベランダで転落死しているのが発見された。享年29歳という若さだった。
その他にも恋人への暴行や傷害、脅迫、大麻喫煙やその事に対しての無責任な発言などに、世間の非難が集まっていた。私はそれらの事件について彼を擁護する気は全く無いが、一年を経過して思うことは、本当に惜しい逸材をK -POP業界は失ったという事だ。
周知の通り、IRONは初期のBTSメンバーとしてBigHitの練習生だった。
そしてRMとは特に親交が深かったか、もしくはRM自身がその存在の大きさを認めていたと思う。私はもちろん現在の7人のBTSが大好きだが、初期の重量感のあるラッパー軍団のBTSもまた、素晴らしいグループだったと思うのだ。
特に好きな曲は、”HOOK"。このBTS サウンドに乗り、若者独特の不平不満を撒き散らす軽快で抜群のノリの、二人のラップの絡みは絶妙だ。
今のBTSが時代を救う天使の様なイメージのスーパーアイドルだとしたら、初期のBTSは玄人受けするアンダーグラウンド色の強いストイックなラップグループだと思うが、私はどちらもものすごく魅力的だと思う。
HOOK(HOOKとは、フッと吹けばどこかへ飛んで消えていってしまうものの意味。)
一部分の和訳
正義の防弾少年団 勇敢な防弾少年団 そして フッと消える フッと壊す
俺達はFワードなんて無くても ここの人間の耳を全て誘惑できる 歌謡界発展には目をつぶった でも、大衆の目はパパラッチ
あんたが売りさばいたフックソング それでホントにフッと終わる
OK OK 冗談じゃなくて もうここで終わりだよ
正義の防弾少年団 勇敢な防弾少年団 そしてフッと消える フッと壊す
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜中略〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Bye !!!!

https://www.scmp.com/magazines/style/celebrity/article/3119241/iron-was-one-k-pops-most-controversial-stars-working-bts
IRONはBigHitを辞めた後、2015年にデビューシングル、2016年には一枚のアルバムを出している。
またCMでRMとコラボしたり、SHINeeのジョンヒョンとコラボした”Crazy"では、存在感のあるラップを披露している。(残念な事に、ジョンヒョン自身もそのソロアルバムが順調にヒットしている最中、自死している。K -POPのショービジネスの闇の中に埋もれた天才達だ。)
ジョンヒョンも高音が美しい表現力豊かな天才シンガーだった。彼が、自身のソロアルバムのゲストに選んだ相手がIRONだった。 ジョンヒョンに見劣りしないその存在感と表現力、二人の掛け合いは素晴らしかった。
しかし、二人はもう居ない。
今7人のBTSは、時代の頂点にいる。
RMとIRONの人生を分けたのは人の意思ではなく、運命というものだろう。
しかし、ラッパーとしてアーティストとしてIRONが優れた才能を持っていた唯一無二の存在だったことは明白で、今のBTSの土台を作った初期のメンバーだと覚えておきたいと思うのだ。
今は、7人が作るBTSの新シリーズの発表を、期待して待つ事にしよう!