BTSはストーリーとリアルを同時に生きる全く新しいアイドルだ!Love Yourself解説
「LOVE YOURSELF」シリーズの最終章となるリパッケージ・アルバム『LOVE YOURSELF 結 ‘Answer’』をリリースするBTS(防弾少年団)https://tower.jp/article/news/2018/08/14/tg004
この発売を前に”Tear”について少し書かせてもらおうと思う。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLDagS4EWgUXSb5XzaJ79hSRj7rV9RZNk5
GIFと和訳はすべてyoutube から作成したもので、和訳は全体のイメージがつかめる程度に抜粋したものです。
Tear
あの時何かが割れる音
僕は声を持たない
あの音が耳に時々響いてくる
僕は僕を湖に捨てた
教えてよ、僕の声が偽物なら僕を捨ててはいけなかったの?
あの時僕はどうすれば良かったのか?
FAKE LOVE
偽りの愛なんだ
愛は狂気
愛が愛で完璧であるように
かなわない夢の中で僕は咲く事のない花を育てた
怖いほど君を愛してる
僕は僕を捨てたんだ
でも、こんな偽りの愛はもうたくさんなんだ
鏡に問いかけても
何で悲しいの?わからない、僕も僕がわからない
君の為に奇麗な嘘を作り上げる
でも、これは偽りの愛なんだ
The Truth Untold
もし、あの時少しだけ勇気を出していたら
今は変わっていたのかな?
笑わないで、
みすぼらしい姿、見せたくなかったんだ
僕は怖かったんだ
また、仮面をかぶって君に会いに行くよ
僕は泣いているよ、壊れたこの砂の城の中で一人
壊れた仮面を見つめながら
だけどまだ君が恋しい
134340
僕は空回りばかりしてる
僕は君を手放した
僕は君を失った
僕は名前を持たない
僕の季節は君だった
君は僕を消した
君は僕を忘れたんだ
歌は止まった
僕は君の周りばかり回っている
僕は空回りばかりしている
Paradise
僕らは、走らなければならない
でも、馬鹿げた競争はもう終わりだ
息が苦しい
夢が無くても構わない
止まったって構わない
もう目的もわからない
みんなが見る夢なんていらない
今は毎日笑っていよう、あの楽園で
Love Maze
愛は迷路だ
他人が何を言おうと僕を信じなきゃ
二つの手を放しちゃだめだ
愛の迷路の中で
迷路でさえ楽園
僕の手を放さないで
絶対すれ違っちゃだめだ
僕に約束して
僕の手を取って
愛の迷路の中で
Magic shop
僕が僕でいたくない日
君の中に一つのドアを付けてあげよう
その扉を開ければ、君はもう大丈夫
見せてあげるよ
自分も何も信じられなくても
ここに来れば大丈夫
ここは夢のマジックショップ
温かいお茶を飲みながら
あの天の川を見つめながら
君は大丈夫だよ
見せてあげる
ここは夢のマジックショップ
Airplane pt.2
変わったチビ
息をするように歌ってたね
どこでも良い、歌をやりたかった
君は歌うスター
マジでヤバイ現実 大当たりだ
この世界のどこに行ったって僕らは楽団
香港からブラジル、ロンドンからパリ
東京からイタリア
もうわからない 失敗の仕方も
キムナムジュンなのかRM なのかも
わからない、止め方も
だからただ行くだけ、歌うために
世界中のどこだって行く
僕らは楽団
Anpanman
俺はスーパーヒーローじゃない
あげられるのはアンパンだけ
俺は、必ず君の傍にいるよ
俺がやらなきゃ誰がやる
ずっと勝組バンタン
目覚めたヒーロー、でもずっと迷路の中
本当は怖いんだ
俺は新世代のヒーロー
君のヒーローになる
配れ配れアンパン
呼ばれればどこにでも行く
もっと力を出してみる
僕が持っているのはこの歌一発
僕は君の傍にいるよ
新世代ヒーローアンパンマンだ!
SO WHAT
誰かは俺を変な奴だと言う
だからどうした
俺は若く自由気ままだ
ほおっておけ何が悪いんだよ
苦痛は俺の勲章
時には失敗と涙の中、
俺は進むんだ
俺は気にしないでいるよ
失敗と悲しみの中で
ただ僕たちは進むんだ
止まったまま悩むなよ
全部無駄だよ、だからどうした
踏めアクセル
だからどうした
ほおっておけ
Outro Tear
君は俺の涙だ
君は俺の恐怖なんだ
同じ場所に向かって歩いてたのに
これ以上何を言えばいいのか
いっそ何もかも燃やしてくれ
美しい別れなんてないから
八つ裂きになった俺の心臓をスパっと燃やしてくれ
未練も何も残らないように
正解は決まっているのに
いつも終わりは難しいね
君は俺の涙だ
Answer
なんだかおかしいんだ、僕は君の為に生きていたのに
全て君に合わせていたのに,君を愛していたのに
そう思えば思うほど心の中の嵐をどうする事も出来ないんだ
微笑む仮面の内側で、本当の僕をさらけ出す
今になって気付くんだ
僕は自分自身を愛していたんだ
少し不十分でもすごく美しい
僕は自分を愛するべきなんだ
愛したいんだ、この世界で
輝く僕を、大切な自分を
僕が一番愛するべきなのは、この自分自身なんだ
なぜ、BTSはこんなに受けるのか、何がBTSをここまで有名にしたのか?
それは、こんなグループはいまだかつて存在しないからだ。
以前にも書いたが、BTSが大きなテーマにしたものは「ティーンズの孤独」だ。家庭内暴力から衝動的に父親を刺してしまうという者や、失恋から放火自殺を図ろうとする者、自分を喪失して薬物に手を出したり、家出して街をさまよう者など花様年華の”I NEED U”でストーリー化された若者たちが、いつも新しいシリーズの大事な部分でその存在を見せる。それぞれのシリーズの根底に流れているのはそんな若者達の孤独感だ。勿論彼らはスーパーアイドルに相応しい歌声とダンススキルとルックスを持つ。それだけに夢中になるファンも数多くいるだろう。しかし、彼らのアクションはアイドルを超えている。ディレクションされたアイドルではなく、彼らは新シリーズをしっかりした原案の元に構築し、作詞作曲をこなしSNSで彼らの日常をファンに伝え、彼ら自身がBTSという全く新しいヒーローを作っている。
”WINGS” “NOT TODAY”から”Love Yourself”へと繋ぎながら、シリーズにはその土台となったヘルマンヘッセの”ダミアン”や今回の”Love Yourself”の元となった”Into the majic shop”の本の紹介があり、時には全てのシリーズが一つながりの長編ドラマを見せられているように感じたり、シリーズ自体のそれぞれの意味に考えさせられたり、かと思うと彼らの全くの日常のボヤキや自慢話や不安感など、リアルなBTSを重ねてきたり、彼らを追い続けてきている私も目が回るほど、彼らは変幻自在にくるくると変わるのだ。
楽曲「Tear」は、父親を刺して重い罪を背負ったVの演じた若者の心の叫びだ。「FAKE LOVE」も”I NEEDU”で出てきたシーンを思い出させる。他の楽曲のほとんどは、ティーンズが経験する失恋や迷い、嫉妬や絶望感など、成長して行く過程で誰もが経験する試練や孤独に対して強がってみたり、泣き言を言ったりという歌詞に聞こえる。ただ、ここで驚くのはそんな中に、彼らの全くの日常を歌った”Airplane pt.2″や”Anpanman”が登場する事だ。
”Airplane pt.2″は、ビルボードの受賞、世界的な人気に対する彼らの自慢気な発言とは裏腹の、不安やボヤキ、でも「やるしかないし、呼ばれればどこにでも飛んでいく楽団だ」と開き直る歌詞が、ラテンのリズムと彼らの素晴らしいダンスで表現されている。なぜ、ここでラテンなんだ?と思う間もなく”Anpanman”の歌とカラフルなコスチューム、漫画チックなBTSで、「勝ち組バンタン、配れ配れアンパン、俺たちは新ヒーローのアンパンマンだ」と歌う。BTSってどういうグループなの?と新しいファンも含めて、もう目が離せなくなる。
そして、”Into the majic shop”のテーマも見えてくる。これは、一連のストーリーをアンサーに導く重要な部分だ。”Magic Shop”では、「君が辛い時は心にドアを付けよう。そこを開けば、もう君は大丈夫。ここはマジックショップだ」と歌う。今までのシリーズに対しての、BTSからの提案と答えが個人に贈られる。ラストは先日リリースされた”ANSWER”だが、JINのハイトーンボイスのソロ曲で「自分自身を愛するべきなんだ」という歌詞。”Into the Majic shop”でも書かれていた事だが、人は境遇がその人を不幸にするのではなく、その人の心が不幸を作っているだけだという事。いかに自分を信じて幸せな未来を描けるかは、すべて自分が握っているんだという事。過去を忘れるのではなくて、自分を愛するところからもう一度始めるんだという事を歌っている。なんて美しいラストなんだろうと思う。これは、本当にすべての楽曲とその問いかけに対する答えだと思う。一時期JINの出番が少ないとファンの間から言われていた時期もあったが、こんなラストを締めくくるのはJIN の美しいハイトーンボイスと、あの類まれな容姿の美しさだからこその仕上がりだと思う。
完璧だ!!
彼らはストーリーの中に生きたり、リアルなBTSを生きたり、幻想と現実を行ったり来たりしている。そして、メンバーのプライベートはかなりな面白さだ。彼らの日常は地獄の忙しさに違いないが、そんなリアルも明るく笑い飛ばしている。ARMYと呼ばれるファンは、彼らの存在に翻弄され刺激され共鳴し、増殖を続けている。。
やはり、もう一度言いたい。RMは天才だ!
彼が「将来、どんな風になりたいですか?」という質問に対して、「BTS というグループの存在が歴史に残れたら・・。」と言っていたが、残るはずだ。冒頭にも書いたが、こんなグループは未だかつて無かったのだから、BTSの前にBTSは存在しなかったのだから・・・。
8月28日の最終章Answerの発売が待たれる。こんなにワクワクさせられるグループが、他にあっただろうか?
読んでくださった方、ありがとうございます!